飯田絵里さん

飯田さんは、女子美術大学を卒業後都内のデザイン事務所に勤務し、文具やキッチン用品、ジュエリーなどの商品企画とデザインを手掛けていました。2000年、結婚を機に栃木県に拠点を移し、宇都宮市内の広告制作会社にてグラフィックデザイナーとして勤務。その後、宇都宮市内のホテル(広報企画室)での勤務を経て独立。グラフィックデザインからイラストレーション、雑誌記事のライティングなどの他、さらにはCRT栃木放送にて番組制作やインタビューを担当し、ディレクターとしてもご活躍中です。

 

基本情報

お仕事内容(肩書き)
グラフィックデザイナー、ライター、ラジオディレクター
お名前 飯田絵里(いいだえり)
出身地 東京都


インタビュー

1) 今のお仕事(起業)のきっかけや、これまでの道のりなど教えてください。

親が広告制作会社を経営、祖父も職業画家だったこともあってか、いつかは自分で独立するというのが当たり前のような感覚がありました。さらに、後押ししたのは、栃木県に来てからふたつめの職場(宇都宮市内のホテル)の広報企画室で仕事をしたことが大きかったと思います。

婚礼からレストラン、イベントなどに関わるアートディレクションや印刷物、メニュー等の制作、広告出稿の段取りなど全ての部署に関わる仕事内容で、食からイベントから撮影ディレクションまで、さまざまな経験ができたので「まあ、なんとかなるだろう」という楽観的な考えもありました。

また、「もうそろそろ自分で決めて、責任を持ってやりたい」という気持ちが強くなっていたことと、その時点で38歳だったので、雇ってもらえる年齢ではないことも腹をくくった背景にあります。

フリーで始めてからは、だんだん仕事の内容が変化してきました。今はグラフィックデザインと、ライティングと、ラジオ番組の企画制作の3本が柱となっています。仕事の確保は基本的に紹介が殆どなので、自分から営業したことはありません。

企画やディレクションに携わることも多く、その部分はニッチな仕事ではないかと思います。昔から「若い人に仕事を奪われないためには、企画力が重要だ」という認識がありましたので、企画提案型の仕事のしかたを常に意識的にしてきました。それが仕事の付加価値を上げ、報酬や内容的なボリュームを広げる役割を果たしています。

心掛けているのは自分なりの着眼点をもって、人といかに違う形でアウトプットできるか、です。自分は昔から不器用で、人と同じようにできなかったので、自分なりのやりかたを模索したことが、結果的にはよかったのかもしれません。

 

 

2) 好きな事で「稼ぐ」ための苦労や努力、挫折や復活談などお聞かせください。

デザイン事務所に勤めていた私の20代は挫折一色で、「デザインが好き、楽しい」なんて思えないほどでした。しかし、その後知人に背中を押されて退社後、視界が開けました。そんなに思っていた程自分はひどくないかも…、と思えたのはそれまで視野が狭かったからなのでしょう。

それでも、栃木県に移住してからは「好きなこと」をしているというより「自分にできること」を手探りで探しながらやっているうちに面白くなってきて、「好きなことになった」という感じです。世の中には本当に素晴らしいデザイナーが沢山いるので、自分はそんな人たちにはかなわないと常に思っていました。だから「今自分にできることはこれしかない!頂いた仕事は自信もなにも全力でやるしかない!」という気持ちで仕事をしています。でも、取材は楽しいです。人に会うことが好きです。

基本的には楽観的な性格なので、仕事に対して苦労だと感じることはありません。難題や困難には燃えるタイプなのです。そして、来た仕事は基本断りません。「頼まれごとは試されごと」と言った方がいましたが、まさにそんな気持ちです。それが、仕事の幅を広げて来たことは言うまでもありません。でも、自分としてはどのジャンルの仕事(企画もライティングもラジオも)も全て「デザインの仕事」というスタンスです。

 

3) 今後の展望・目標などをお聞かせください。

今、林業・農業の活性化に関わる仕事が一番自分の中で最も大きな存在になっています。それは、自分が仕事を通じて未来へなにかを残していける、貢献できるのではないかと思える分野だからです。これまでは頂いた仕事をもくもくとやっていましたが、40代後半の頃から、受け身だけでなく自分から主体的に取組んでいくライフワークを持ち、それを仕事として手がけたいと思うようになりました。それは、50歳になり、年齢的に残りの人生の期間が「短くもないが、長くもない」と感じたこともあります。そう思っていた時に出会ったのが林業木材産業の発信に関する番組制作でした。

一次産業は国の根幹をなすもだと思います。自分の国の資源を活かした循環型社会が、人口減へと向かう、今後の日本の行方を左右すると思います。そのため、栃木放送で放送した「もくりん森日記」(林業木材産業についての課題や現状を発信する番組です)にはとりわけ力を入れています。この分野は林業から建築まで範囲が広いので、今後ますます勉強をして、新しい形の発信を担っていきたいと思っています。

 

 

4)好きを仕事にするために大切にしていることはズバリ何ですか?

とにかく、続けることが大切かなと思います。続けているとなにかしら次の段階が見えてきます。ただ、今やっていることにとらわれすぎる必要はないと思います。いろんな方角を眺めながら、時にはあっちむいたりこっち向いたりしていると、広い視野で自分の仕事が俯瞰できて、そのうちにつながってきたりします。

私も最近になって、これまでやってきたことが、見事につながって来ていてエキサイティングです。おそらく自分の興味関心のあることに意識的であることが反映されているのでしょう。